彼も人なり我も人なり
読み方:かれも ひとなり われも ひとなり
意味
優れた人も自分も同じ人間なのだから、相手にできることを自分だけできないと初めから決めつけず、努力すれば自分もその境地に近づけるという自励の言葉。手本となる人に学び、奮起するときに用いる。
由来
中国・唐代、9世紀初めの文学者・韓愈(かんゆ、768~824)の文章「原毀」にある「彼人也、予人也。彼能是而我乃不能是(彼も人なり、予も人なり。彼よく是をなし、我すなわちよくなさざるは何ぞや)」に基づく。日本ではこの句が訓読・要約され、「彼も人なり我も人なり」として定着した。
備考
文語的で格調のある言い回し。「彼」は特定の男性ではなく、手本となる他者を指す。能力や環境の差を否定する語ではなく、自分を奮い立たせる場面で用いる。
別表記
- 彼も人なり予も人なり
- 彼も人なり、予も人なり
- 彼も人なり、我も人なり
補足
- 「人間なら能力や条件が完全に同一で、誰でも必ず同じ成果を出せる」という意味に取るのは不正確。相手に学び、努力して自分も近づこうとする自励の言葉である。
- 出典を「論語」や「孟子」とするのは誤りで、一般に韓愈の「原毀」に基づく表現とされる。
例文
- 難関資格に合格した先輩を見て、彼も人なり我も人なりと自分を励まし、毎日の勉強を続けた。
- 新しい業務を前に尻込みしていたが、「彼も人なり我も人なり」と考え、まずは先輩のやり方を学ぶことにした。
- 優秀な研究者の成果に圧倒されても、彼も人なり我も人なりの気持ちで、研究計画を練り直した。