天作孽、猶可違。自作孽、不可活
読み方:てんさくげつ は なお さくべし。じさくげつ は いくべからず
意味
天がもたらす自然の災いや避けがたい不運は、なお防いだり逃れたりする余地がある。しかし、自分自身の悪い行為や判断によって招いた災い・罪の報いは、逃れようがなく破滅を免れない、という戒め。自分の行為に責任を持つべきだという意味である。
由来
中国の古典『尚書(書経)』の「太甲中」にある「天作孽、猶可違。自作孽、不可逭」に由来する表現である。原文の「逭」は「逃れる」の意で、見出しの「不可活」は、後世に「生きられない・助からない」という意味に言い換えられて流布した形であり、『尚書』の原文そのものではない。伝承上、この句は殷王朝の宰相・伊尹が王の太甲を戒めた言葉とされるが、現行の『尚書』本文の成立時期については諸説ある。日本には漢文の教養などを通じて伝わった。
備考
現代の日常会話ではあまり用いず、漢文・倫理・評論などで引用される。音読する場合と、「天の作れる孽は…」と訓読する場合がある。「孽」は罪悪や災いの意。
例文
- 失敗を他人や運のせいにしても、自作孽、不可活というように、自分の不正が原因なら責任からは逃れられない。
- 自然災害は備えによって被害を減らせるが、法令違反を繰り返して会社を危機に陥れたのなら、まさに天作孽、猶可違。自作孽、不可活である。
- 彼は忠告を無視して無謀な投資を続けた。その結果の破綻は、自作孽、不可活と言わざるを得ない。