黍離之嘆
読み方:しょり の たん
意味
国が滅びたり、かつて栄えていた都や故地が荒廃したりした様子を見て、昔の繁栄をしのび悲しむこと。転じて、国や社会の衰亡・荒廃を嘆く深い悲しみをいう。
由来
中国最古の詩集とされる『詩経』の「王風・黍離」に由来する。紀元前771年ごろに西周が滅亡した後、周の旧都・鎬京の宮殿跡が荒れ、黍(きび)が生い茂るのを見た周の大夫が、国の滅亡を悲しんだという故事から生まれた。「黍離」は黍が繁茂しているさまをいい、「之嘆」はそのことに対する嘆きの意である。
備考
文章語・文語的な表現で、日常会話ではあまり用いない。国都や歴史的な場所の荒廃に対する嘆きに使うのが本来で、単なる個人的な失敗や寂しさには通常用いない。表記は「黍離の嘆」ともする。
別表記
- 黍離の嘆
- 黍離之歎
補足
- 「黍離」は「きびが離れる」という意味ではなく、黍が生い茂るさまを表す。
- 個人的な失恋や一時的な落胆に用いるのは、本来の国の衰亡・旧都の荒廃を嘆く意味から外れやすい。
例文
- 旧王宮の跡地に雑草が生い茂る光景に触れ、彼は黍離之嘆を禁じ得なかった。
- 戦禍で破壊された古都を訪れると、かつての繁栄を思い、黍離之嘆を抱かずにはいられない。
- この記録は、滅びた王朝の都を前にした人々の黍離之嘆を静かに伝えている。
分類
類義語
- 麦秀之嘆
- 亡国之嘆
- 黍離麦秀