鳴蝉潔飢
読み方:めいせん けっき
意味
清らかな心を保ち、貧困や飢えに苦しんでも、不正な利益を求めたり節操を曲げたりしないこと。転じて、清廉で高い志を守る人や、その態度をいう。
由来
中国・東晋の葛洪が4世紀前半に著した『抱朴子』外篇「博喩」に見える表現。古代中国では、蝉は露を飲んで生きる清い虫だと考えられていた。「鳴蝉潔飢」は、鳴く蝉が露だけを飲み、飢えても食をむさぼらないというイメージから、清廉なまま貧しさに耐えることを表すようになった。
備考
蝉が露を飲むという古代中国の観念に基づく比喩であり、実際の生態を述べる語ではない。現代の日常会話ではまれで、文章語・漢文調の硬い表現である。
別表記
- 鳴蟬潔飢
補足
- 単に「蝉が鳴きながら空腹でいる」という自然描写ではなく、清廉さを保って困窮に耐えるという人格的な意味で用いる。
- 「鳴蝉」は「めいせん」と読み、「めいぜん」とは読まない。
例文
- 彼は不正な利益を受け取らず、鳴蝉潔飢の姿勢を貫いた。
- その学者は生活こそ質素だったが、権力に媚びない鳴蝉潔飢の人物として知られていた。
- この評伝は、主人公が困窮の中でも信念を捨てなかった鳴蝉潔飢の生涯を描いている。