鄭衞桑閒
読み方:ていえい そうかん
意味
中国の鄭・衛で流行したとされる、男女の情を露骨に歌うみだらな音楽をいう。また、そのような音楽に代表される、風紀を乱す享楽的・退廃的な歌や音楽のたとえでもある。儒家の道徳的な非難を含む語。
由来
春秋時代(前8世紀~前5世紀)の鄭・衛の音楽や、衛の桑間に結び付けられた歌を、儒家が乱世・亡国につながるみだらな音と見なしたことに由来する。戦国末から前漢期にかけて成立・編纂された『礼記』の「楽記」に「鄭衛之音」「桑間濮上之音」が見え、後に両者を合わせて「鄭衞桑閒」という。
備考
現代の日常会話ではほぼ用いられず、漢文・音楽史・文章語で見られる。「鄭衛桑間の音」ともいう。流行音楽などを道徳的に低く評価する古い儒教的価値判断を含むため、現代での使用には注意が必要。
別表記
- 鄭衛桑間
補足
- 「鄭衛桑間」は新字体による正規の異表記であり、誤記ではない。
- 単に地名を並べた語ではなく、みだらで退廃的と見なされた音楽を指す。
例文
- 保守的な批評家は、その流行歌を鄭衞桑閒の音だと断じた。
- 『礼記』の文脈では、鄭衞桑閒は政治の乱れと結び付けて論じられている。
- 作品を鄭衞桑閒として一概に退けるのではなく、当時の儒教的な音楽観を考慮する必要がある。
分類
類義語
対義語
- 正声
- 黄鐘大呂