郢書燕説
読み方
えいしょ えんせつ
意味
書き手の本来の意図とは関係のない部分を取り上げ、読み手が自分に都合よく意味づけして解釈すること。根拠の薄いこじつけや、文脈を離れた曲解をいう。たとえその解釈によってよい結果が生じても、もとの文章の意図にかなっていなければ「郢書燕説」という。
由来
中国の思想書『韓非子』「外儲説左上」に見える故事に基づく。戦国時代末期(紀元前3世紀ごろ)の韓非の説話で、楚の都・郢の人が燕の宰相へ手紙を書いた際、暗かったため燭台を持つ者に「挙燭(ろうそくを上げよ)」と言い、その語を誤って手紙に書いてしまった。燕の宰相はこれを「明るさを尊び、賢者を登用せよ」という意味だと勝手に解釈して王に進言した。国はよく治まったが、それは手紙の本来の意図ではなかったことから生まれた。
備考
中国古典に由来する、かなり硬い表現。日常会話では「こじつけ」「曲解」が一般的である。「偶然よい結果になった解釈」であっても、原意を離れていれば用いる。
例文
- その一節だけを抜き出して作者の思想を断定するのは、郢書燕説にすぎない。
- 上司の短い指示から自分に都合のよい結論を導くのは、郢書燕説といわれても仕方がない。
- 研究発表では、資料を文脈から切り離した郢書燕説にならないよう、原文全体を確認した。
類義語
- 牽強付会
- 穿鑿付会
- 曲解
- こじつけ
対義語
- 原意に沿った解釈
- 正確な解釈
- 文脈を踏まえた理解