造次顚沛
読み方:ぞうじ てんぱい
意味
あわただしく余裕のない非常時や、つまずき倒れるほどの困難・不遇な状態をいう。「造次」は急であわただしいこと、「顚沛」はつまずき倒れること。転じて、急変や苦難に直面する場面を指し、そのような時にも信念や道義を守るという文脈で用いられる。
由来
中国古典『論語』の「里仁」篇にある「君子無終食之間違仁、造次必於是、顚沛必於是」に基づく。成立は孔子とその弟子たちの言行をまとめた紀元前5〜3世紀ごろとされる。この文では、君子は食事の短い間でさえ仁に背かず、あわただしい時も困難な時も仁を実践する、という意味である。
備考
日常会話ではまれで、文章語・教養語として用いられることが多い。「造次顚沛にも~」の形で、非常時や苦境でも信念を守る意を表す。
別表記
- 造次顛沛
補足
- 「造次転沛」と書くのは誤り。「顚(顛)」は、つまずき倒れる意の字である。
- 「ぞうじてんはい」ではなく、「ぞうじてんぱい」と読む。
例文
- 彼は造次顚沛の際にも、顧客との約束を破らなかった。
- 組織の理念は、造次顚沛の局面でこそ真価が問われる。
- 『論語』は、君子が造次顚沛にも仁から離れないことを説いている。