豕交獣畜
読み方:しこう じゅうちく
意味
人を養う際、ただ食物などを与えるだけで愛情がなければ豚と交わるようなものであり、愛情があっても敬意がなければ獣を飼うのと同じだ、という意味。特に親や年長者には、生活の世話だけでなく、愛情と恭敬の心をもって接するべきだという教えをいう。
由来
中国戦国時代(紀元前4〜3世紀ごろ)に成立したとされる『孟子』尽心上の「食而弗愛、豕交之也。愛而不敬、獣畜之也」に基づく。「食べさせても愛情がなければ豚との交わり、愛しても敬わなければ獣を飼うこと」という趣旨で、親や目上の人を養う際に恭敬が不可欠であることを説いた語である。
備考
主に親の扶養や目上への接し方についていう古典的な教え。現代の日常会話ではまれで、文章語・教訓的な文脈で用いられる。「豕交」を性的な意味の語と誤解しないよう注意が必要。
別表記
- 豕交獸畜
補足
- 「豕」を「豚」と書き換えない。定型は「豕交獣畜」。
- 「畜」を「蓄」と書かない。「畜」は飼い育てる意。
- 男女関係の乱れをいう語ではない。親などを、愛情や敬意なしに養うことへの戒めである。
例文
- 親の生活費を負担するだけでは豕交獣畜になりかねない。日頃から感謝と敬意を言葉にして伝えることが大切だ。
- 高齢の父母を施設に任せきりにするのではなく、面会して心を尽くすべきだという意見は、豕交獣畜の戒めに通じる。
分類
類義語
- 食而弗愛
- 愛而不敬
- 犬馬之養
対義語
- 敬愛
- 孝敬
- 敬老尊賢