言不尽意
読み方:げん ふじん い
意味
言葉だけでは、心の中にある考えや感情、物事の奥深い意味を完全には表し尽くせないこと。言語による表現には限界があるという意味で用いる。
由来
中国古典『易経』の「繋辞上伝」にある「書は言を尽くさず、言は意を尽くさず(書不尽言、言不尽意)」に基づく。書かれた文章は言葉を尽くせず、言葉もまた人の意図・思想を完全には尽くせない、という趣旨である。『易経』の成立・編纂時期は一時期に定まらないが、戦国時代から前漢期(紀元前3~2世紀頃)にかけて成立したと考えられている。
備考
主に、深い感情・思想・景観などが言葉で十分に表せない場面で用いる。単に「説明不足」という意味ではなく、表現しがたいほど豊かな内容を含む場合に使われる。
別表記
- 言不盡意
誤用・混同注意
- 「言不尽義」と書くのは誤り。正しくは「言不尽意」。
- 「げんふじんぎ」と読むのは誤り。正しくは「げんふじんい」。
- 単なる話し手の説明不足を指す語ではなく、言葉では本質的に表し尽くせない深い内容についていう。
例文
- 亡き恩師への感謝は深く、追悼文を書いても言不尽意の思いが残った。
- 壮大な山頂からの眺めは言不尽意であり、実際に見なければその感動は伝わらない。
- 被災者の苦しみを前にすると、安易な言葉では言不尽意であることを痛感する。
分類
類義語
- 言詮不及
- 言外之意