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衣錦褧衣

読み方:いきん けいい

意味

錦のように美しい衣服の上に、質素な一重の上着を重ねて、その華やかさを覆い隠すこと。転じて、すぐれた才能・徳・功績がありながら、それをことさらに表に出したり誇ったりせず、慎み深く振る舞うことのたとえ。

由来

中国最古の詩歌集『詩経』の「衛風・碩人」にある「衣錦褧衣」に基づく。春秋時代(紀元前8~5世紀ごろ)の歌とされ、錦の衣の上を褧衣(一重の上着)で覆う女性の姿を詠んだ表現である。後に『礼記』「中庸」が「衣錦尚絅」として引用し、華美を隠して内なる徳を備える君子の姿の比喩として定着した。

備考

「褧衣」は錦を覆うために上に重ねる一重の上着をいう。日常会話ではあまり使われず、文章語・教訓的な表現として用いられる。単に成功を隠すことではなく、内実を誇示しない慎みを重んじる語である。

別表記

  • 衣錦絅衣

補足

  • 「衣錦還郷」と混同しない。衣錦還郷は、成功・出世して故郷へ帰ることをいう。
  • 「衣錦尚絅」は近い意味をもつ別表現であり、「尚」を「褧」の単純な誤字として扱わない。

例文

  • 彼は数々の受賞歴を持ちながら自分から語ることはなく、衣錦褧衣を旨とする人物として尊敬されている。
  • 華やかな経歴をことさらに見せず、地域の仕事に黙々と取り組む彼女の姿は、まさに衣錦褧衣である。
  • 真の実力者ほど衣錦褧衣の心構えを持ち、成果を誇示するより仕事の質で評価を得ようとする。

分類

類義語

対義語

この四字熟語に使われている漢字