蚊虻走牛
読み方:ぶんぼう そうぎゅう
意味
蚊や虻のような小さな虫でも、群がって牛を刺せば牛を走らせることができる、という意。力の弱い者や取るに足りない事柄でも、多数集まったり重なったりすれば、強大な者を動かすほどの力・影響を持つことのたとえ。
由来
中国の故事を収めた『戦国策』に見られる「蚊虻走牛羊(蚊や虻が牛や羊を走らせる)」という表現に基づくとされる。戦国時代(紀元前5~3世紀ごろ)の遊説・政治説話を、前漢の劉向が紀元前1世紀ごろに編集した書物である。日本では「羊」を省き、「蚊虻走牛」の四字熟語として定着した。
備考
日常会話での使用頻度は高くなく、文章語・教養的な表現である。「小さな者が多数集まって大きな力となる」という文脈で用いる。「蚊虻牛を走らす」と訓読することもある。
補足
- 「走牛」は単に『牛が走る』という意味ではなく、『蚊虻が牛を走らせる』という使役的な意味である。
- 「蚊虻走羊」や「蚊虻走牛羊」は原典に近い表現として見られるが、四字熟語としては通常「蚊虻走牛」を用いる。
例文
- 一人ひとりの小さな不満でも、積み重なれば組織を変える力になる。まさに蚊虻走牛である。
- 大企業だからといって利用者の声を軽視してはいけない。蚊虻走牛というように、小さな声の集まりが大きな改革を促すこともある。
- 町の住民による地道な要望活動は、やがて行政を動かした。蚊虻走牛を思わせる出来事だった。