簞食瓢飲
読み方:たんし ひょういん
意味
粗末な器に入れた少量の食事と飲み物だけで暮らす、きわめて質素で貧しい生活をいう。特に、物質的には貧しくても、学問や信念を楽しみとして心の充実を失わない態度を表す。
由来
中国の古典『論語』雍也篇にある、孔子が弟子の顔回を評した言葉に由来する。「一箪食、一瓢飲、在陋巷(粗末な路地に住む)」という貧しい境遇でも、顔回はその楽しみを変えなかったとされる。孔子の時代は春秋時代(紀元前6〜5世紀ごろ)で、『論語』は戦国時代ごろに編纂されたと考えられている。
備考
単に「貧しい生活」を指すだけでなく、困窮しても志や楽しみを失わない顔回の人格をたたえる文脈で用いられる。日常会話ではやや硬く、文章語的な表現である。
別表記
- 箪食瓢飲
補足
- 「箪」は「簞」の新字体であり、「簞食瓢飲」と「箪食瓢飲」はいずれも認められる表記。
- 「貧乏で惨めな生活」という否定的な意味だけに限定するのは不正確で、精神的な充足を保つ含みがある。
例文
- 彼は簞食瓢飲の暮らしであっても、研究に打ち込む毎日を心から楽しんでいる。
- 祖父は戦後、簞食瓢飲ともいえる生活を送りながら、子どもたちを育て上げた。
- 簞食瓢飲を尊ぶ価値観は、必要以上のぜいたくより精神的な充実を重んじる考え方につながる。
分類
類義語
対義語
- 豪華絢爛
- 贅沢三昧
- 奢侈豪遊