矮子看戯
読み方:わいし かんぎ
意味
自分自身では物事の実態や善し悪しを判断できず、他人の意見・評判にただ同調すること。背の低い人が芝居を見ようとしても舞台がよく見えず、周囲の観客の評価に従う、というたとえからいう。多くの場合、主体性や批判的な判断を欠く態度を否定的にいう。
由来
中国・南宋の儒学者である朱熹(1130~1200)の語録を弟子たちがまとめ、13世紀後半(1270年ごろ)に編纂した『朱子語類』に見える「矮人看場、随人説短長」などの表現に基づく。「矮人(背の低い人)」は芝居の舞台が見えないため、周囲の人が言う批評に従う、というたとえが「矮子看戯」の形で定着した。
備考
主に文章語・教訓的な表現として用いられる、やや難度の高い語。「戯」はここでは「芝居・演劇」の意。相手を主体性がないと批判する含みがあるため、人物評には注意を要する。
別表記
- 矮子看戲
誤用・混同注意
- 「戯」を「戲」と書くのは旧字体・異体字としてはあり得るが、現代表記では通常「矮子看戯」と書く。
- 「わいしかんげき」ではなく、標準的な読みは「わいしかんぎ」。
- 単に芝居を見る意味ではなく、他人の意見に無批判に従うという否定的なたとえである。
例文
- 会議の内容を十分に検討せず、多数派に賛成するだけでは矮子看戯といわれても仕方がない。
- SNSで見かけた評判を確かめずに広める態度は、矮子看戯に陥りやすい。
- 批評を参考にするのはよいが、まず自分で作品を味わい、矮子看戯にならないようにしたい。