真俗不二
読み方:しんぞく ふに
意味
仏教語。真理そのものを示す「真諦」と、日常世界における相対的・世俗的な真理を示す「俗諦」は、見方は異なっても本来は別々のものではなく、一体であるという考え。超越的な真理と現実の世界が切り離せないことをいう。
由来
中国・隋代の天台宗の教学に由来する仏教語。隋の僧・智顗(ちぎ、538〜597年)が大成した天台教学では、真諦と俗諦を対立する二つの真理として固定せず、相即しているものと説いた。「真俗不二」はこの思想を端的に表す語で、日本では天台宗などの仏教思想の文脈で用いられてきた。
備考
主に仏教哲学・宗教研究で用いる硬い語。「真俗」は「真実と俗っぽさ」の意味ではなく、「真諦」と「俗諦」を指す。「不二」は「ふに」と読む。
誤用・混同注意
- 「真俗」を「真実と俗世」の単純な対立と解するのは不正確で、仏教の「真諦・俗諦」を指す。
- 「不二」を「ふじ」と読まない。正しくは「ふに」。
例文
- 天台教学では、悟りの真理と日常の営みは切り離せないという真俗不二の思想が重視される。
- 真俗不二の立場から見れば、現実社会で他者を助ける行為も仏道の実践となる。
- 講師は、真俗不二とは世間を捨てるのではなく、世間の中に真理を見いだす考え方だと説明した。