生住異滅
読み方:しょう じゅう い めつ
意味
仏教で、すべての存在や現象がたどる四つの過程をいう。「生」は生起すること、「住」はしばらく存続すること、「異」は変化・衰えに向かうこと、「滅」は消滅すること。あらゆるものは固定不変ではなく、移り変わるという無常の理を示す。
由来
インド仏教のアビダルマ(論蔵)で説かれた、有為法(原因や条件によって生じるもの)の「四相」に由来する。中国で漢訳仏典を通じて「生・住・異・滅」として定着し、日本にも仏教語として伝わった。代表的な論書として、7世紀半ば(651~654年)に玄奘が漢訳した『倶舎論』などに関連する説が見られる。
備考
主に仏教・思想の文脈で用いる語で、日常会話では硬い表現である。「生老病死」が人間の一生を指すのに対し、「生住異滅」は事物・現象一般の生成から消滅までをいう。
誤用・混同注意
- 「生老病死」と混同しない。生老病死は主に人の生涯の苦を表し、生住異滅は万物・現象の変化の四段階を表す。
- 第三段階の「異」を、単なる「違い」の意味と誤解しない。「変異し、衰えに向かうこと」をいう。
例文
- 桜が咲き、盛りを過ぎて散る姿には、生住異滅の理が表れている。
- 会社や社会の制度も生住異滅を免れず、時代に応じて変化していく。
- 師は、生住異滅を理解すれば、失われるものへの執着を少し和らげられると説いた。