環堵蕭然
読み方
かんと しょうぜん
意味
住まいの中ががらんとして、物寂しく貧しいさま。もとは四方を土壁で囲んだ粗末な家に、家具や財産がほとんどない状態をいう。転じて、非常に質素で貧しい暮らしや住居を表す。
由来
東晋末の詩人・陶淵明(365~427)の文章「五柳先生伝」にある「環堵蕭然、不蔽風日(環堵蕭然として、風日を蔽わず)」に由来する。五柳先生という隠者の、風や日光も十分に防げないほど粗末で寂しい住まいを描いた表現である。本文の正確な成立年は不詳。
分類・構成
備考
日常会話ではほとんど使われず、漢文調・文語的な表現である。「貧しい」だけでなく、がらんとして閑寂な住居の雰囲気を含む。陶淵明の故事にちなみ、清貧や隠遁の文脈で用いられることもある。
誤用・混同注意
- 「環堵」は「かんど」ではなく「かんと」と読む。
- 「蕭然」を、意味の異なる「粛然」と書き換えない。
- 単に静かで整然とした状態をいう語ではなく、住居の閑寂さや貧しさを伴う表現である。
例文
- 祖父が若いころに暮らした山村の家は、家具もほとんどない環堵蕭然たる住まいだった。
- 山寺の小さな庵は環堵蕭然としていたが、窓から見える月は格別に美しかった。
- 彼は環堵蕭然の生活を送りながらも、読書と創作に満ち足りていた。
類義語
- 家徒四壁
- 四壁蕭然
対義語
- 富麗堂皇
- 豪華絢爛