狼前虎後
読み方:ろうぜん ここう
意味
前方には狼、後方には虎がいるという字義から、進むにも退くにも危険があり、逃げ道がなく進退に窮している状態をいう。相反する難題や敵に前後から挟まれ、身動きが取れない苦境のたとえ。
由来
中国の白話小説『水滸伝』などに見られる、前後を猛獣に挟まれた危険な状況を表す比喩に基づくとされる。「狼が前にあり、虎が後ろにある」という情景を漢文調に四字で表した語である。『水滸伝』の成立は元末から明初、14世紀後半〜15世紀ごろとされる。
備考
主に文章語・説明的な表現として用いる。「前門の虎、後門の狼」とほぼ同じく、前後から危険や難題に挟まれることをいう。単に不安が多いという意味ではなく、進退の選択肢が塞がれた苦境を表す。
補足
- 単に狼と虎が並んでいる情景をいう語ではない。前後から危険に挟まれ、進退に窮する意味である。
- 「前門の虎、後門の狼」と同義であるため、狼・虎の前後関係だけを見て「狼前虎後」を誤字と判断しない。
例文
- 敵軍に前後を包囲された部隊は、まさに狼前虎後の苦境に置かれた。
- 借入を増やせば利息が重くなり、返済を急げば資金が尽きるため、その会社は狼前虎後の状態だった。
- 双方の要求が両立しないこの交渉は狼前虎後だが、第三の解決策を探るしかない。