牝牡驪黄
読み方:ひんぼ りこう
意味
物事を評価する際に、性別・色・外見・形式などの表面的な違いにとらわれず、その本質や真価を見抜くこと。「牝牡」は雌雄、「驪黄」は黒と黄を表す。
由来
中国の道家系古典『列子』の「説符篇」にある故事に基づく。秦の穆公が名馬を探させた九方皐は、馬を「黄色い雌馬」と報告したが、実際は「黒い雄馬」だった。伯楽は、九方皐は性別や毛色という外形でなく、馬の本質・能力を見ていたのだと高く評価した。現行の『列子』は魏晋期(3〜4世紀頃)に整えられたとする説が有力で、故事そのものの成立時期は確定していない。
備考
現在の日常会話ではあまり用いない、文章語的で格調高い表現。「牝牡驪黄」は単に馬の性別や毛色を指す語ではなく、それらの外形を超えて本質を見抜くという故事成語である。
誤用・混同注意
- 「牝牡」は一般語の「めすおす」ではなく、この熟語では「ひんぼ」と読む。
- 「驪」を「麗」や「離」などと書き換えない。正しくは「牝牡驪黄」。
例文
- 人材登用では、学歴や肩書きだけで判断せず、牝牡驪黄の眼で本人の実力を見極める必要がある。
- 彼女は作者の知名度に左右されず、作品そのものを牝牡驪黄の姿勢で評価した。
- 審査員には、見栄えや流行に惑わされず本質を捉える牝牡驪黄の見識が求められる。
分類
類義語
- 慧眼独具
- 明察秋毫
- 不拘一格
対義語
- 以貌取人
- 皮相之見