燕雀安知
読み方:えんじゃく あんち
意味
燕や雀のような小鳥に、鴻(おおとり)や鵠(くぐい)の大きな志が理解できるはずがない、という意味。転じて、見識や志の小さい人には、大人物の遠大な理想・抱負は理解できないことをいう。
由来
前漢の司馬遷が紀元前91年ごろに完成させたとされる『史記』の「陳渉世家」に由来する。農民だった陳勝(陳渉)が、将来の富貴を語って仲間に笑われた際、「燕雀安知鴻鵠之志哉(燕雀、安くんぞ鴻鵠の志を知らんや)」と嘆いた故事から生じた。「燕雀安知」はこの句を四字に縮めた形である。
備考
現在は、全文の「燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知らんや」として引用されることも多い。自分の志の高さを強調する一方、他者を見下す響きがあるため、対人場面での使用には注意が必要。
誤用・混同注意
- 読みを「えんじゃくあんし」としない。標準的な読みは「えんじゃくあんち」。
- 「安」は「安らか」の意味ではなく、「どうして〜か、いや〜ない」という反語を表す。
例文
- 長期的な研究の意義を理解されず、彼は胸の内で「燕雀安知」とつぶやいた。
- 「燕雀安知鴻鵠之志哉」という言葉どおり、非凡な志は周囲にすぐ理解されるとは限らない。
- 他者を燕雀安知と決めつける言い方は、相手を小人物扱いすることになりかねない。