燕巣危幕
読み方:えんそう きまく
意味
燕が、いつ落ちるかもしれない危険な幕に巣を作る意から、身に危険が迫っていることに気づかず、安心しきってのんびりしていることのたとえ。個人だけでなく、危機を見過ごす組織や国家などについてもいう。
由来
中国の古典『左伝』襄公二十九年に見える「燕之巣于幕上(燕の幕の上に巣くう)」という比喩に基づく。襄公二十九年は春秋時代の紀元前544年に当たり、『左伝』自体の成立は戦国時代ごろとされる。危うい幕の上に巣を作る燕の無自覚さを、迫る危機を知らない者にたとえた。
備考
文章語・教訓的な表現で、日常会話での使用頻度は高くない。危険を認識したうえで冒険することではなく、危険そのものに気づかず安逸にしている状態をいう。
誤用・混同注意
- 「危機を承知で無謀な行動を取ること」の意味で使うのは誤り。危険が迫っていることに気づいていない状態をいう。
例文
- 市場の急変を警告されても過去の成功に酔う経営陣は、まさに燕巣危幕の状態だ。
- 堤防の劣化を放置し、平穏な暮らしが続くと思い込むのは燕巣危幕というほかない。
- 敵軍の包囲が進んでいるのに宴を続ける城内の人々は、燕巣危幕のたとえに重なる。
分類
類義語
- 燕雀処堂
- 魚遊釜中
- 累卵之危