民胞物与
読み方:みんぽう ぶつよ
意味
すべての人々を自分と同じ胞(はらから)、すなわち兄弟姉妹のように思い、天地の間にある万物を自分と共にある仲間として大切にする考え。人間だけでなく自然や物事を含む万物との一体感・共生の精神を表す。
由来
中国・北宋時代(11世紀)の儒学者、張載(ちょうさい、1020~1077)の著作「西銘」にある「民吾同胞、物吾与也(民は吾が同胞、物は吾が与なり)」に基づく。「民胞」は民衆を同胞とすること、「物与」は万物を仲間とすることをいう。宋明理学における万物一体の思想を示す語である。
備考
儒教、とくに宋明理学の思想を表す高度な語。日常会話よりも、倫理・教育・環境保護・思想史などの文章で用いられる。「与」は「与える」の意ではなく、仲間・ともがらの意。
別表記
- 民胞物與
補足
- 「民抱物与」と書くのは誤り。正しくは「民胞物与」。
- 「与」を「与える」の意味に解するのは不適切で、ここでは「仲間・ともがら」を表す。
例文
- 環境問題に向き合うには、人間だけの利益を優先せず、民胞物与の精神で自然と共生する姿勢が必要だ。
- 彼は民胞物与を理念に掲げ、国籍や立場の違いを超えて困窮者の支援に尽くした。
- 民胞物与という考え方は、他者や生き物を自分と切り離さずに尊重する倫理につながる。
分類
類義語
対義語
- 利己主義
- 排他主義
- 弱肉強食