染指垂涎
読み方:せんし すいぜん
意味
欲しい物・利益・地位などを、よだれを垂らすほど強く欲しがること。手に入れたいという強い欲望を抱き、機会があれば自分のものにしようとする様子をいう。多くは、他人の財産や利権などに欲を見せる場合に用い、やや非難の意味を伴う。
由来
「染指」は、中国春秋時代の鄭で、霊公が煮た大すっぽんを家臣に分けた際、分け前を得られなかった子公が鼎の中に指を入れて汁をなめたという故事に由来する。これは『春秋左氏伝』宣公四年(紀元前605年ごろの記事)に見える。「垂涎」はよだれを垂らす意であり、両語を重ねて、何かを非常に欲しがる意の四字熟語となった。四字熟語として定着した正確な時期は不明。
備考
文章語的で、日常会話ではあまり用いない。単なる食欲ではなく、財産・地位・権益などを強く欲しがる、欲深い態度を批判的に表すことが多い。
誤用・混同注意
- 「垂涎」を「垂延」と書くのは誤り。
- 食べ物に対する食欲だけを表す語と誤解されがちだが、地位・財産・利権などへの強い欲望にも用いる。
例文
- 複数の企業が、その地域の豊かな水資源に染指垂涎している。
- 彼は新設される事業の利権に染指垂涎し、あらゆる方面へ働きかけた。
- 希少な名画が競売に出ると聞き、収集家たちは染指垂涎した。