悲天憫人
読み方
ひてん びんじん
意味
世の中の不幸や理不尽な運命・時勢を嘆き、苦しみや悲しみの中にいる人々を深くあわれむこと。また、そのような人道的・博愛的な心情をいう。「悲天」は天命や時世を悲しむ意、「憫人」は人々をあわれむ意である。
由来
中国・唐代の文人、韓愈(かんゆ、8世紀後半〜9世紀初め)の文章「争臣論」に由来する故事成語とされる。「悲天」は世の苦難や天命を嘆くこと、「憫人」は苦しむ人々をあわれむことを表し、あわせて社会の不幸を憂え、民衆に同情する心を意味するようになった。
分類・構成
備考
「悲天」は文字どおり天そのものを悲しむ意味ではなく、天命や時世への嘆きをいう。人道的な同情や憂慮を表す硬い文語的表現で、日常会話ではあまり用いられない。
誤用・混同注意
- 「悲天民人」は誤り。正しくは「悲天憫人」。
- 読みを「ひてんみんじん」とするのは誤り。正しくは「ひてんびんじん」。
例文
- その作家は、悲天憫人のまなざしで戦禍に翻弄される人々を描いた。
- 被災地の現実に触れ、彼女は悲天憫人の思いをいっそう強くした。
- 政治には悲天憫人の感傷だけでなく、苦しむ人を支える具体的な施策も必要である。
類義語
対義語
- 冷酷無情
- 鉄石心腸
- 利己主義