心頭滅却
読み方:しんとう めっきゃく
意味
心にある迷い・欲望・雑念を消し去れば、どんな苦しさや困難も苦にならなくなるということ。もとは、心を無にして悟りの境地に入れば、暑ささえ涼しく感じられるという意味である。強い精神集中や忍耐を表す際にも用いる。
由来
中国・唐代後期(9世紀ごろ)の詩人、杜荀鶴(とじゅんかく)の詩「夏日題悟空上人院」にある「滅却心頭火自涼(心頭を滅却すれば、火もおのずから涼し)」に基づく。暑さの中で禅定する僧を詠み、心の雑念を絶てば熱さも苦にならないという禅的な境地を表した。日本では「心頭滅却」として四字熟語化した。
備考
「心頭滅却すれば火もまた涼し」の形でよく引用される。ただし、無理な我慢や暑さ対策を怠ることを勧める語ではない。熱中症の危険がある場面では休息・水分補給を優先する。
補足
- 原典の句は「滅却心頭火自涼」であり、「心頭滅却」は日本で四字熟語として定着した語順である。
- 「心頭滅却すれば火もまた涼し」を、精神論として安全上の配慮なく暑さを我慢する意味に解するのは不適切。
例文
- 真夏の屋外での稽古は厳しいが、心頭滅却の覚悟で最後までやり抜いた。
- 雑念が次々に浮かんでしまい、心頭滅却の境地に達するのは容易ではない。
- 彼は心頭滅却と自らに言い聞かせ、緊張する舞台へ上がった。