彫虫小技
読み方:ちょうちゅう しょうぎ
意味
文章を書く際の、こまごまとした技巧や技術をいう語。本来は、それらを大きな学問・事業に比べて価値の低い「小さな技」とみなし、へりくだって、または軽んじていう。今日では文学・文章表現の技巧一般を指すこともある。
由来
前漢末から新代にかけての学者・揚雄(ようゆう)が著した『法言』の「吾子」篇にある「童子雕虫篆刻、壮夫不為也」に基づく。『法言』の成立は1世紀初頭、概ね西暦9年頃とされる。「雕虫篆刻」は虫書などの装飾的な文字を刻むことから転じ、華美で細かな文章上の技巧を表した。これに「小技」が結び付き、取るに足りない文学的技巧の意となった。
備考
主に文章・文学の技巧について用いる。自分の技量をへりくだっていう場合のほか、内容を伴わない表面的な技巧を批判する場合にも使う。単純に「優れた技術」という褒め言葉ではない。
別表記
- 雕虫小技
補足
- 「高度な技巧を称賛する語」と解するのは誤り。多くは文章上の技巧をへりくだって、または軽んじていう。
- 読みを「ちょうむししょうぎ」とするのは誤りで、標準的な読みは「ちょうちゅうしょうぎ」。
例文
- 先生は自作の比喩について、「これは彫虫小技にすぎません」と謙遜した。
- 社会を動かす構想に比べれば、言葉を飾るだけの彫虫小技に終わってはならない。
- 緻密な韻律や語句の選択といった彫虫小技にも、その詩人の力量が表れている。
分類
類義語
- 彫虫篆刻
- 彫虫末技
- 文章小技
- 末技
対義語
- 経国大業
- 経世済民