孤臣孽子
読み方:こしん げっし
意味
主君から信頼されず孤立した臣下と、正妻以外の子として生まれた庶子をいう。いずれも立場が不安定で苦労や危機意識を抱えやすいため、深く思慮し、才能を伸ばして大成することがある、という意味でも用いる。
由来
中国の思想書『孟子』尽心章句上にある「独孤臣孽子、其操心也危、其慮患也深、故達」に基づく。戦国時代(紀元前4~3世紀ごろ)の孟子の思想を伝える文章で、孤立した臣下や庶子は常に危機を意識して思慮を深めるため、かえって世に通用する人物になりうるという趣旨である。
備考
現代では日常会話での使用はまれで、漢文・思想史・歴史的文脈で用いられることが多い語である。「孽子」は単に悪い子という意味ではなく、主に庶子を指す。
別表記
- 孤臣蘖子
誤用・混同注意
- 「孽子」を「逆子」と書くのは誤り。
- 読みを「こしんげつし」としない。正しくは「こしんげっし」。
- 「孤臣」を孤児である臣下、「孽子」を悪い子とだけ解するのは不正確。
例文
- 孟子は、孤臣孽子のように苦境に置かれた人ほど、深い思慮を身につけることがあると説いた。
- 主君に疎まれた彼は孤臣孽子の境遇にあったが、逆境をばねにして有能な政治家となった。
- 後継者争いのなかで庶子として育った王子は、孤臣孽子にも似た不安定な立場に置かれていた。