大羹玄酒
読み方:たいこう げんしゅ
意味
味付けをしない肉の吸い物である「大羹」と、酒の代わりに神前へ供える水である「玄酒」をいう。古代の祭祀における供物を指し、転じて、人工的な装飾を加えない素朴さや、自然のままの本質的なよさをたとえる。
由来
中国古典の『礼記』に由来する。「礼器」などには、味を整えない大羹の質朴さを尊ぶ考えや、祭祀で「玄酒」(水)を供えることが記されている。これらの祭祀用供物を組み合わせた語である。『礼記』の材料は戦国時代(紀元前5~3世紀頃)から前漢期に成立し、書物としては前漢末の紀元前1世紀頃に編纂されたとされる。
備考
日常会話ではほとんど用いられない、文章語的な四字熟語である。古代祭祀の供物そのものを指す場合と、素朴で飾り気のない趣をたとえる場合がある。
別表記
- 太羹玄酒
誤用・混同注意
- 「豪華な料理と酒」を指す語と解するのは誤り。玄酒は酒ではなく、祭祀で酒の代わりに供える水をいう。
例文
- この茶室の設えは大羹玄酒の趣を大切にし、華美な装飾を用いていない。
- 彼の文章は大羹玄酒と評されるほど簡潔で、飾りのない力強さがある。
- 教授は古代中国の祭祀を解説し、大羹玄酒を質素な供物の象徴として紹介した。
分類
類義語
- 質実剛健
- 素朴簡素
- 質朴無飾
対義語
- 豪華絢爛
- 粉飾華美
- 奢侈華麗