大信不約
読み方
たいしん ふやく
意味
真に厚い信義・誠実さを備えた人どうしの間では、あえて約束や契約を取り交わさなくても互いに信頼できる、という意味。人としての信頼が非常に強固であることをいう。
由来
中国の古典『礼記』の「学記」にある「大徳不官、大道不器、大信不約、大時不斉」に基づく。『礼記』は前漢期(おおむね紀元前1世紀ごろまで)に編纂された礼制・儒教思想の書で、「大信不約」は「大いなる信義があれば、あえて約束を結ぶ必要はない」との意である。
分類・構成
備考
現代の日常会話ではあまり用いない、漢文由来の硬い表現。信頼の尊さを説く語であり、現代の取引で契約や確認を不要とする意味ではない。
誤用・混同注意
- 「だいしんふやく」と読むのは誤りで、正しくは「たいしんふやく」。
- 「契約や約束が一切不要」という意味に限定して解釈するのは不適切で、深い信義があれば形式的な約束を要しないという趣旨。
例文
- 祖父は口約束でも必ず守る人で、近所の人々からは大信不約の人物だと敬われていた。
- 長年にわたる両社の関係は、まさに大信不約といえるほど強い相互信頼に支えられている。
- 彼は大信不約を理想としたが、事業では信頼関係に加えて明確な契約書も必要だと考えていた。