多情多恨
読み方:たじょう たこん
意味
感情が豊かで移ろいやすく、物事に深く感じ入る一方で、不満・悲しみ・恨みを抱きやすいこと。「多情」は感情や情愛が多いこと、「多恨」は恨みや嘆きが多いことをいう。繊細で感傷的な気質を、やや否定的または文学的に表す語。
由来
「多情」と「多恨」を重ねた漢語的な四字熟語である。「情が多ければ、それだけ嘆きや恨みも多くなりやすい」という人の心情を表す。中国古典の特定の一作品を直接の典拠とする故事成語としての出典・成立年代は明確ではないが、中国の古典詩文で用いられてきた「多情」「多恨」という語法を背景にもつ表現と考えられる。
備考
日常会話ではあまり使われず、文学的・批評的な文脈で用いられる。感受性の豊かさだけでなく、嘆きや恨みにとらわれやすいという含みがあるため、人物評では慎重に用いる。
補足
- 「多情多感」と混同しやすいが、別の表現である。
- 「恨」はこの語では「こん」と読み、「たじょうたこん」と読む。
例文
- 彼は多情多恨な性分で、ささいな別れにも長く心を痛めた。
- その小説は、多情多恨の主人公が恋と失意の間で揺れ動く物語である。
- 若いころは多情多恨だったが、年を重ねるにつれて物事を穏やかに受け止められるようになった。