君子固窮
読み方
くんし こきゅう
意味
徳のある人物(君子)は、貧困や苦境に陥っても志や節操を固く守り、不正な行為に走らないということ。逆境にあってこそ人格や信念が試される、という儒教的な教えを表す。
由来
中国古典の「論語」衛霊公篇にある、孔子と弟子・子路の問答に由来する。子路が「君子にも窮することがありますか」と問うと、孔子は「君子固窮、小人窮斯濫矣(君子は窮しても節操を固く守るが、小人は窮すれば道を外れる)」と答えた。孔子は紀元前551~479年の人物で、「論語」はその言行を戦国時代頃までに弟子・後学が編纂した書とされる。
分類・構成
備考
「君子」は単に身分の高い人や男性を指す語ではなく、儒教でいう人格・徳の備わった理想的人物をいう。現代では、苦境でも節操を守ることを説く格言として用いる。
誤用・混同注意
- 「君子孤窮」と書くのは誤り。正しくは「君子固窮」。
- 単に「苦しい生活を我慢すること」を指すのではなく、困窮しても節操や信念を失わないという意味である。
例文
- 事業に失敗して生活が苦しくなっても、彼は不正な利益に手を出さなかった。まさに君子固窮の態度である。
- 君子固窮という言葉のとおり、逆境のときほど自分の信念と誠実さを失わないようにしたい。
- 恩師は学生たちに、困窮を理由に約束を破ってはならないと説き、「君子固窮を忘れるな」と励ました。
類義語
対義語
- 小人窮斯濫矣
- 見利忘義