史魚屍諫
読み方:しぎょ しかん
意味
中国・春秋時代の衛の大夫、史魚が、主君への諫言が受け入れられないまま死ぬに際し、遺体を正規の場所に安置しないよう家族に命じ、死後も主君を諫めたという故事。転じて、臣下が命を懸けるほどの強い忠誠心をもって、主君や目上の者の過ちをいさめることをいう。
由来
中国の春秋時代、衛の大夫であった史魚(紀元前6~5世紀頃)の故事に基づく。史魚は衛の霊公に、賢者の蘧伯玉を登用し、寵臣の弥子瑕を退けるよう繰り返し諫めたが聞き入れられなかった。死に臨んで遺体を室内に安置せず窓の下に置くよう遺言し、弔問に来た霊公を死後も諫めたという。この話は前漢の韓嬰が編んだとされる『韓詩外伝』(紀元前2世紀頃成立)に見える。
備考
現在の日常会話で使われることは少ない、文章語・故事成語である。「死諫」は命を懸けて諫める一般的な語だが、「史魚屍諫」は史魚が死後も遺体によって諫めた故事を特に指す。
補足
- 「死諫」と混同しない。史魚屍諫は、史魚が死後に遺体を通じて主君を諫めた故事を指す。
- 「屍」を「死」と書き換えるのは標準的な表記ではない。
例文
- 不正な方針に対しても黙従せず、史魚屍諫の覚悟で社長に意見を述べた。
- 臣下には、史魚屍諫に象徴されるような、主君の過ちを正す忠誠が求められることもある。
- 彼の提言は耳に痛いものだったが、組織を思う史魚屍諫の精神から出た言葉だった。