刹那生滅
読み方:せつな しょうめつ
意味
仏教で、すべての現象・存在は永続するものではなく、きわめて短い一瞬ごとに生じ、次の瞬間には滅して変化し続けるということ。固定不変の実体はないとする無常観を表す。
由来
インド仏教の「刹那滅」の思想に基づく仏教語である。「刹那」は極めて短い時間単位、「生滅」は生じて滅することをいう。世親が4~5世紀ごろに著したとされる『倶舎論』などのアビダルマ仏教で、一切の有為法が瞬間ごとに変化・消滅するという考え方が説かれ、日本にも仏教思想として伝来した。
備考
主に仏教哲学で用いる語。「刹那」は単に短時間を指すのではなく、きわめて微細な時間単位をいう。日常では、物事の無常さや移ろいを表す比喩としても使われる。
別表記
- 剎那生滅
誤用・混同注意
- 「刹那消滅」と混同しない。刹那生滅は、単に消えることではなく、「生じては滅する」という一連の変化を表す。
- 「刹那」を単に「少しの時間」の意味だけで理解すると、仏教的な時間観・無常観という本来の意味を取り違えやすい。
例文
- 仏教では、すべての有為法は刹那生滅であり、固定した実体をもたないと説かれる。
- 師は、湧き起こる感情にも刹那生滅の理があるのだから、必要以上に執着しないよう諭した。
- 舞台芸術の魅力は、その瞬間にしか生まれず消えていく刹那生滅の表現にある。