入木三分
読み方:にゅうぼく さんぶん
意味
書の筆勢が非常に強く、木に書いた字の筆跡が三分(約9ミリメートル)も食い込むほどであること。転じて、文章・批評・洞察などが鋭く、物事の本質を深く的確に捉えていることをいう。
由来
中国・東晋(4世紀)の書家、王羲之にまつわる故事に由来する。王羲之が祭祀用の木札(祝版)に書いた字を職人が削ったところ、墨跡が木の中に三分も達していたという。『晋書』王羲之伝に見え、唐代の648年ごろに編纂された同書によって伝わる。
備考
本来は書の筆力をほめる語である。現代では、批評や洞察が本質を鋭く突く意でも用いる。日常会話ではやや硬い表現で、「三分」は時間や割合ではなく深さの単位を指す。
補足
- 「入木三文」は誤り(正しくは「入木三分」)。
- 「三分」を時間の「さんぷん」や割合の「さんぶ」と解するのは誤りで、ここでは深さの単位を表す。
例文
- 王羲之の書は、木にまで筆跡が及んだという入木三分の筆力で知られる。
- その評論は入木三分で、作品が抱える問題の核心を見事に指摘している。
- 彼女の入木三分の分析を聞き、私たちは議論の前提を見直すことになった。
分類
類義語
- 力透紙背
- 鉄画銀鉤