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兎糸燕麦

読み方:とし えんばく

意味

名目や名前だけがあって、実際の内容・実質が伴っていないことのたとえ。兎糸(菟絲)と燕麦はいずれも実在する植物だが、典故では、兎糸は糸の名があっても織物に用いられず、燕麦は麦の名があっても麦として食用になる実がないとされたことから、名だけで実がないことを表す。制度や役職、看板などが形骸化している場合に用いる。

由来

中国の正史『魏書』李崇伝に見える故事に基づく。北魏の国子学が、学官という名はあっても教授の実がない状態を批判し、「兎糸燕麦、南箕北斗と何ぞ異ならん」と述べた箇所が由来とされる。『魏書』は魏収により6世紀中頃、554年ごろに編纂された。兎糸(菟絲)は実在する寄生植物、燕麦も実在する植物だが、典故ではそれぞれ糸や麦の名に相応する実用がないものとされ、名のみで実のないことの比喩となった。

備考

「有名無実」に近い、硬く文語的な表現で、日常会話ではあまり用いない。兎糸(菟絲)と燕麦はともに実在する植物だが、それぞれ糸や麦の名に相応する実用がないとされたことに基づく比喩であり、単に内容が乏しい場合よりも、名目だけが残る状態をいう。

補足

  • 「兎糸」を兎の毛で作る糸や架空の物と解さない。兎糸(菟絲)は実在する寄生植物である。
  • 「燕麦」も実在する植物だが、語全体では名に実が伴わないことの比喩として用いる。

例文

  • 新設された相談窓口は担当者も予算もなく、兎糸燕麦に終わっている。
  • 資格制度を作るだけで研修を行わなければ、兎糸燕麦との批判を免れない。
  • その委員会は長年開催されておらず、今では兎糸燕麦のような存在だ。

分類

類義語

対義語

この四字熟語に使われている漢字