人欲横流
読み方:じんよく おうりゅう
意味
人間の欲望、とりわけ私利私欲が、堤防を越えた水のように世の中にあふれ、はびこること。金銭・名誉・権力などを求める欲が強まり、道徳や公共性が軽んじられるような状況を、批判的にいう。
由来
中国・南宋の儒学者、陸九淵(1139~1193)が弟子の曾宅之に宛てた書簡「与曾宅之書」に見える語とされる。宋代(12世紀後半)に、天理が衰え、人々の私欲が世にあふれる状況を「人欲横流」と表現した。日本では漢文・儒学の語として受け入れられ、社会風潮を批判する四字熟語として用いられる。
備考
主に世相や社会の道徳的退廃を批判する文脈で用いる硬い表現。「横流」はここでは欲望が横にあふれ流れる意であり、「横流し」のような不正な流通を指す語ではない。
誤用・混同注意
- 「横流」を「よこながれ」と読まない。標準的な読みは「おうりゅう」。
- 「横流し」の意味、すなわち不正な転売・流通の意味だと誤解しない。
- 「にんよく」ではなく、通常は「じんよく」と読む。
例文
- 拝金主義が広がり、人欲横流の時代だと嘆く人もいる。
- 人欲横流の社会では、短期的な利益だけを追わず、倫理的な判断を保つことが重要だ。
- 作品は、人欲横流によって共同体の絆が失われていく姿を描いている。
分類
類義語
- 物欲横流
- 利欲熾盛
- 欲望横溢