五趣六道
読み方:ごしゅ ろくどう
意味
仏教でいう、衆生が生前の行い(業)によって生まれ変わる六つの世界・境涯をいう。一般に地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上の六道を指す。「五趣」は修羅を独立させず五つに数える呼び方であり、五趣六道は迷いの世界を輪廻するありさまの総称として用いられる。
由来
インド仏教の輪廻思想に由来し、中国で漢訳仏典を通じて定着した仏教語である。「趣」は衆生が業によって赴く生存の境涯を意味する。五趣は地獄・餓鬼・畜生・人・天、六道はこれに修羅を加えた区分である。特定の一書を直接の典拠とするというより、漢訳仏典に広く見られる概念で、遅くとも中国で仏典翻訳が盛んになった後漢から唐代(2〜10世紀頃)に用語として浸透し、日本には仏教伝来後の6世紀以降に伝わった。
備考
主に仏教・宗教史・美術史の文脈で用いる語。「五趣」と「六道」は数え方が異なるが、五趣六道ではともに迷いの輪廻世界を表す。日常会話では「六道輪廻」のほうが比較的通じやすい。
誤用・混同注意
- 「五趣」を五つの楽しみや趣味の意味と解するのは誤り。「趣」は、業によって赴く生存の境涯をいう。
- 五趣と六道が別々の世界を合計十一種類並べたものだと誤解しない。五趣は六道から修羅を独立させない数え方である。
例文
- 仏教では、欲望や執着にとらわれる者は五趣六道を輪廻すると説かれる。
- 地獄絵は、五趣六道における苦しみを目に見える形で示したものだ。
- 彼は人生の苦楽を五趣六道になぞらえ、迷いから離れることの難しさを語った。
分類
類義語
対義語
- 解脱
- 涅槃
- 極楽浄土