五百塵点
読み方:ごひゃく じんてん
意味
きわめて遠い過去、または計り知れないほど長大な時間をいう仏教語。文字どおりの五百個の塵を指すのではなく、世界を砕いてできた塵を用いる譬喩に基づき、数えることのできないほどの大きな時間の隔たりを表す。
由来
仏典「法華経」如来寿量品にある「五百塵点劫」の譬喩に由来する。「五百塵点劫」は、無数の世界を砕いて塵とし、さらに途方もない間隔を置いてその塵を一点ずつ落とすという比喩で、その全てを数え尽くすほどの長大な時間を表す。日本で広く読まれる漢訳「妙法蓮華経」は鳩摩羅什が406年ごろに訳したとされ、「五百塵点」はその略称として用いられる。
備考
主に仏教・宗教的な文脈で、想像を絶する遠い過去や長大な時間を表す。日常会話で使う語ではなく、一般には「五百塵点の昔」のように用いる。原典の語形は「五百塵点劫」。
別表記
- 五百塵點
誤用・混同注意
- 「五百年」や単に五百個の塵を表す語と解するのは誤りで、数え切れない長大な時間を表す譬喩である。
- 原典には「五百塵点劫」という五字の形で現れるが、「五百塵点」もその略として定着している。
例文
- 仏教では、釈迦が悟りを開いてから五百塵点の時が過ぎたと説かれる。
- この寺には、五百塵点の昔から続くかのような静けさが漂っている。
- 五百塵点の彼方にある出来事を、現代の尺度だけで測ることはできない。