五斗折腰
読み方
ごと せつよう
意味
わずかな俸禄や利益を得るために、自分の信念・節操を曲げ、権力者や他人にへつらって屈服すること。「五斗」は少量の米、転じてわずかな給料をいう。多くは、そのような生き方を否定的に評する場合や、自分はそうしないという決意を示す場合に用いる。
由来
中国・東晋末の詩人、陶淵明(陶潜)の故事に基づく。彭沢県の県令であった陶淵明は、上役を迎えるために礼服を着るよう求められた際、「わずか五斗の米のために、郷里の小人へ腰を折って仕えることはできない」と述べて官職を辞したという。5世紀初め(405年ごろ)の逸話で、唐代の648年ごろに編纂された晋書の陶潜伝に見える。
分類・構成
備考
日常会話よりも文章語・評論で用いられる硬い表現である。原典には「五斗米折腰」という五字の句があり、「五斗折腰」はそれを四字に縮めた形。陶淵明の清廉・隠遁の生き方と結び付けて使われる。
誤用・混同注意
- 「折要」と書くのは誤り(正しくは「折腰」)。
- 「五斗米折腰」は原典に見える五字の表現であり、「五斗折腰」の単純な誤記とはいえない。
例文
- 彼は昇進のために上司へ無条件に迎合することを、五斗折腰だとして嫌った。
- 生活が苦しくても五斗折腰はしないという信念を、彼女は最後まで貫いた。
- 権力者の顔色ばかりうかがう政治家を、評論家は五斗折腰の姿勢だと批判した。