検索

世智弁聡

読み方:せち べんそう

意味

世間の事柄に関する知恵にたけ、弁舌が巧みで、頭の働きが鋭いこと。また、そのような人をいう。仏教では、本来、世俗的な知識や巧みな議論に執着して仏法を求めようとしない状態を指し、悟りに至りにくい「八難」の一つとされる。

由来

大乗仏教の論書『大智度論』巻九に見える語で、「八難」の一つとして説かれる。『大智度論』は龍樹(2~3世紀頃)に帰され、中国で鳩摩羅什により5世紀初頭(402~406年頃)に漢訳された。世間的な知恵(世智)と、弁舌・聡明さ(弁聡)を備えながら、それに頼って仏道に向かわないことを戒めた語である。

備考

現代では「知恵があり弁舌に優れる」という褒め言葉としても用いられるが、仏教本来の文脈では、世俗的な才知への執着を戒める含みがある。

別表記

  • 世智辯聰

誤用・混同注意

  • 「世知弁聡」と書くのは誤り。正しくは「世智弁聡」。
  • 仏教本来の意味では、単純な賞賛語ではなく、世俗的な知恵や弁舌への執着を戒める語でもある。

例文

  • 彼は世智弁聡の人として知られ、複雑な交渉を見事にまとめた。
  • 世智弁聡であることと、人生の真理を深く理解することは必ずしも同じではない。
  • 仏教では、世智弁聡にとらわれて仏法を求めないことを、修行の妨げの一つと考える。

分類

類義語

対義語

この四字熟語に使われている漢字