不言之教
読み方:ふげん の きょう
意味
言葉で細かく説き聞かせなくても、行動や態度そのものによって人を感化し、教え導くこと。特に、指導者や目上の人が自ら手本を示して教えることをいう。
由来
中国の思想書『老子』第二章にある「是以聖人処無為之事、行不言之教(このゆえに聖人は無為の事に処り、不言の教えを行う)」に基づく。『老子』は春秋戦国時代、紀元前6~4世紀頃に成立したとされる。聖人はむやみに言葉で命令・説明せず、自然な行いによって人々を導くという老荘思想を表す。
備考
「不言」は単に黙っていることではなく、言葉による強制や説教に頼らず、行為を通して教える意を持つ。教育・指導・リーダーシップを論じる場面で用いる。
補足
- 単に「何も言わずに放任すること」という意味ではない。手本となる行動によって教えることをいう。
- 「不言実行」と同じ意味ではない。不言実行は、余計なことを言わず実行することをいう。
例文
- 部長は長い訓示をせず、毎朝誰よりも早く職場を整えることで、不言之教を実践している。
- 子どもに礼儀を求めるなら、まず親自身が挨拶をする不言之教が大切だ。
- 師の不言之教に接し、弟子たちは仕事への真摯な向き合い方を学んだ。
分類
類義語
- 身教
- 無言の教え
- 言外の教え
- 率先垂範
対義語
- 言教
- 多言多語