三老五更
読み方:さんろう ごこう
意味
中国の古代で、天子が父や兄に対するような礼をもって敬遇した、徳望のある年長者、またはその養老・尊賢の礼をいう。三老・五更と呼ばれる人々を厚くもてなすことから、年長者を敬い、徳や学識のある賢者を重んじる意にも用いる。
由来
『礼記』「文王世子」に、天子が太学で「三老五更」を養うことを記した「天子養三老五更於太学」という記述が見える。周代の礼制として伝えられる養老・尊賢の儀礼に基づく語である。『礼記』自体は戦国時代から前漢期(おおむね紀元前3〜1世紀)にかけて成立・編纂されたとされる。
備考
主に中国古代の制度・礼制を説明する文脈で用いる古典的な語で、現代の日常会話ではほとんど使わない。「五更」は夜明けの時刻を表す語ではなく、この熟語では年長の徳者に関わる呼称である。
補足
- 「三老五経」と書くのは誤り(正しくは「三老五更」)。
- 「五更」を夜の時刻だけを表す語と解するのは不適切で、この熟語では古代の尊称・礼制に関わる語である。
- 「五更」を「ごきょう」と読むのは誤りで、「ごこう」と読む。
例文
- 古代中国の天子は、太学で三老五更を厚くもてなし、年長者を敬う姿勢を示した。
- 史料には、三老五更の礼を通じて、君主が人々に孝悌の精神を教えたと記されている。
- 敬老思想の歴史を講じる先生は、三老五更という古い礼制にも触れた。