一念業成
読み方:いちねん ごうじょう
意味
浄土真宗などで、阿弥陀仏の本願を信じ受け入れる「一念」の瞬間に、極楽浄土へ往生するための業因が完成し、往生が定まるという教え。念仏を多く唱えたり、臨終に特別な修行をしたりして初めて往生が決まる、という意味ではない。
由来
中国浄土教に見られる「一念往生」の思想を背景とする仏教語である。日本では鎌倉時代(13世紀)に親鸞(1173~1263)を中心とする浄土真宗の教義として、「信心を得た一念に往生の因が定まる」ことを示す語として用いられた。四字としての厳密な初出文献・成立年は明確ではない。
備考
主に浄土真宗の教義を説明する語で、日常語として「一つの思いで事業が成る」という意味には用いない。「一念」は単なる思いつきではなく、阿弥陀仏の本願を信受する決定的な瞬間をいう。
誤用・混同注意
- 読みを「いちねんぎょうせい」とするのは誤り。通常は「いちねんごうじょう」と読む。
- 「一念」を単なる一瞬の思いつき、「業成」を一般的な成功と解するのは不正確。浄土教における往生の業因の成就を指す。
- 「一念発起」や「一念往生」と混同されることがあるが、それぞれ用法・重点が異なる。
例文
- 浄土真宗では、一念業成の教えにより、信心を得たときに往生は定まると説かれる。
- 僧侶は法話で、一念業成とは念仏の回数を競う考え方ではないと説明した。
- 祖母は一念業成の安心をいただいたので、死後への不安にとらわれなくなったという。