一念往生
読み方:いちねん おうじょう
意味
浄土教で、阿弥陀仏を信じ、その名を念じる一念の信心によって、死後に阿弥陀仏の浄土(極楽)へ生まれ変わること。一度の念仏や一瞬の信心でも、真実であれば往生できるという教えをいう。
由来
浄土教の経典『無量寿経』にある「聞其名号、信心歓喜、乃至一念……即得往生(その名号を聞き、信じ喜び、わずか一念に至るまで……ただちに往生を得る)」という趣旨に基づく語。『無量寿経』の漢訳は三国時代の魏、康僧鎧訳(252年頃)が広く用いられ、日本では平安末~鎌倉時代に法然・親鸞らの浄土教で重要な教義となった。
備考
仏教、とくに浄土教の専門語。「往生」は一般に「死ぬ」の婉曲表現としても使われるが、この語では阿弥陀仏の浄土に生まれる意。宗派により「一念」の解釈には違いがある。
誤用・混同注意
- 「往生」を単に「死ぬこと」とだけ解するのは不正確で、この語では浄土に生まれることを指す。
- 一念往生を「一度だけ念仏を唱えれば、信心の有無を問わず往生できる」という意味に限定するのは、浄土教の教義を単純化しすぎた理解である。
例文
- 浄土教では、阿弥陀仏への真実の信心があれば一念往生がかなうと説かれる。
- 法然の教えは、念仏を称える者の一念往生を重視したものとして知られる。
- 一念往生を、念仏を一度唱えさえすればよいという単純な意味に限って理解するのは適切ではない。
分類
類義語
- 念仏往生
- 浄土往生