一向専念
読み方:いっこう せんねん
意味
一つの事柄だけに心を集中し、ひたすらそれに打ち込むこと。もとは浄土教の語で、阿弥陀仏をただ一心に念じ、その救いを信じることをいう。一般には、他のことに心を散らさず、特定の目的や仕事に専ら取り組む意味でも用いる。
由来
中国・唐代(7世紀)の浄土教僧、善導の著作『観無量寿経疏(観経疏)』にある「一向専念弥陀仏名(ひたすら阿弥陀仏の名を念ずる)」に基づく仏教語である。浄土教では、阿弥陀仏を専ら念仏する実践を表す語として重視され、とくに浄土宗・浄土真宗などで用いられてきた。
備考
本来は浄土教における念仏の実践を指す語である。現代では宗教的な文脈に限らず、「一つのことに専念する」の意でも使われる。ただし日常会話では「一心不乱」「一意専心」よりやや硬い表現。
別表記
- 一向專念
誤用・混同注意
- 「一向千年」は同音変換による誤記。
- 「一意専念」と混同されることがあるが、一般的な四字熟語としては「一意専心」がよく用いられる。
例文
- 彼は研究テーマを定めると一向専念し、数年をかけて論文を完成させた。
- 試験が近いので、しばらくは趣味を控えて勉強に一向専念するつもりだ。
- 僧は阿弥陀仏への念仏に一向専念することの大切さを説いた。
分類
類義語
対義語
- 意馬心猿
- 注意散漫
- 三心二意