一向専修
読み方:いっこう せんじゅ
意味
仏教、とくに浄土教で、さまざまな修行を兼ね行うのではなく、一つの行だけをひたすら修めること。浄土宗・浄土真宗などの文脈では、阿弥陀仏の名を唱える念仏を専ら修める「専修念仏」を指すことが多い。
由来
中国・唐代(7世紀)の僧、善導の浄土教思想に由来する語。善導は『観経疏』で、阿弥陀仏の本願にかなう行として、念仏を一心に専ら行うことを重視した。日本では平安末~鎌倉初期(12世紀末~13世紀初頭)に法然が『選択本願念仏集』でこの立場を明確にし、「一向専修念仏」の思想として広まった。
備考
日常会話で「一つのことに専念する」の意味に使う語ではなく、主に浄土教・仏教史の文脈で用いる。「専修」はこの語では「せんじゅ」と読む。
誤用・混同注意
- 「専修」を「せんしゅう」と読むのは誤りで、この語では「せんじゅ」と読む。
- 単に「一つのことへ熱中する」という一般的な意味だと解するのは不正確で、浄土教における専修念仏の語である。
例文
- 法然は、阿弥陀仏の本願を信じて念仏を称える一向専修の道を説いた。
- この寺では、雑多な修行を併せるよりも、一向専修念仏を大切にしている。
- 一向専修という語は、浄土教における実践のあり方を理解するうえで重要である。
分類
類義語
- 専修念仏
- 一向念仏
- 一心専念
対義語
- 雑行雑修
- 諸行往生