検索

一切唯心

読み方:いっさい ゆいしん

意味

この世のあらゆる事物・現象は、すべて心が作り出し、心の働きの現れであるとする仏教の考え方。外界を固定した実体としてのみ捉えるのではなく、認識や執着など心のあり方が世界の見え方を形づくる、という意味で用いる。

由来

中国語に訳された仏典『華厳経』の句「一切唯心造(いっさいゆいしんぞう)」に基づく。「すべてはただ心によって造られる」という意味で、四字熟語の「一切唯心」はその要旨を表した形である。現行の漢訳『華厳経』は唐代、実叉難陀(じっしゃなんだ)により695~699年頃に訳出された。

備考

仏教語であり、特に華厳思想に関わる。心理学的な「前向きに考えれば何でも解決する」という意味ではない。経典上の原句は五字の「一切唯心造」。

誤用・混同注意

  • 「一切唯心造」は『華厳経』に見える原句であり、「一切唯心」の誤記ではない。前者は五字句、後者はその要旨を表す四字熟語である。
  • 「唯」を「唯(ただ)」ではなく「唯一の」という日常語の意味だけで解し、単純な主観主義と取り違えないよう注意が必要。

例文

  • 華厳思想では、一切唯心の立場から、迷いや悟りも心の働きと深く関わると考える。
  • 彼は一切唯心という教えを手がかりに、出来事そのものより自分の受け止め方を省みた。
  • 一切唯心は、現実の苦しみを単純に「気の持ちよう」とする意味ではなく、心と世界の関係を説く仏教思想である。

分類

類義語

対義語

この四字熟語に使われている漢字