蓼の虫、葵を食わず
読み方:たでのむし、 あおいを くわず
意味
人にはそれぞれ好みがあり、ある人が好きなものを他の人も好きになるとは限らない、というたとえ。蓼を食べる虫は葵を食べないという姿になぞらえ、好悪や嗜好は人によって異なることをいう。
由来
鎌倉時代末から南北朝時代初期に成立した兼好法師の随筆『徒然草』に見える表現とされる。『徒然草』の成立は1330年代頃とされる。辛味のある蓼を好む虫が、別の草である葵を食べないことに、人の好みの違いをたとえたもの。現在は「蓼食う虫も好き好き」という形のほうが広く使われる。
備考
蓼は辛味や苦味をもつ植物、葵は別種の草を指す。相手の趣味を嘲るためではなく、好みの多様性を認める文脈で用いる。
別表記
- 蓼食う虫も好き好き
誤用・混同注意
- 個人の嗜好の違いを表す語であり、他人の趣味を「変わっている」「劣っている」と嘲る意味ではない。
例文
- 私は濃い味が苦手だが、弟は好んで食べる。蓼の虫、葵を食わずというように、味の好みは人それぞれだ。
- 同じ映画を見ても評価が大きく分かれた。蓼の虫、葵を食わずで、どちらか一方だけが正しいとはいえない。
- 定番の商品より個性的なデザインを選ぶ人がいるのも、蓼の虫、葵を食わずということだ。