盗人にも三分の理あり
読み方:ぬすびと にも さんぶ の り あり
意味
どんなに悪いことをした者や、明らかに誤っているように見える者にも、本人なりの事情・言い分・筋道は多少あるということ。「三分」は十分の三、つまりわずかな割合を表す。相手の言い分を聞く必要を示す場合に使うが、悪事を正当化したり許したりする意味ではない。
由来
初出の文献や正確な成立時期は明確ではないが、近世には民間のことわざとして定着していたと考えられる。「三分」は十分の三の意で、盗人であっても少しは本人なりの理屈がある、という趣旨を表す。
備考
江戸いろはかるたの「ぬ」の札。相手の非を軽くしたり、犯罪を容認したりする表現ではない。相手にも事情や主観的な理由があるとして、冷静に話を聞く文脈で用いる。
別表記
- 盗人にも三分の理
- 盗人にも三分の理がある
誤用・混同注意
- 「盗人にも三分の理あり」は、盗人の行為にも正当な道理があり、許すべきだという意味ではない。誤っている者にも本人なりの事情や言い分が多少ある、という意味である。
- 「三分」を『三分間』や『三つの理由』の意味に取るのは誤り。ここでは十分の三ほどの割合を表す。
例文
- 相手のしたことは認められないが、盗人にも三分の理ありという。まずは、なぜそうしたのか事情を聞こう。
- 部下の報告を頭から退けるのではなく、盗人にも三分の理ありと考えて、彼の言い分にも耳を傾けた。
- 彼の弁解をそのまま受け入れる必要はない。しかし、盗人にも三分の理ありで、背景を確認することは大切だ。
分類
類義語
- 盗人にも五分の理
- 理屈と膏薬はどこへでも付く