朝題目に宵念仏
読み方:あさ だいもく に よい ねんぶつ
意味
朝には日蓮宗の題目を唱え、宵には浄土教の念仏を唱えるという意から、確かな信念・主義・信仰をもたず、その時々の都合や状況に合わせて態度や主張を変えることをいう。節操がなく、定見に欠けることのたとえ。
由来
「題目」は日蓮宗で唱える「南無妙法蓮華経」、「念仏」は浄土教で唱える「南無阿弥陀仏」を指す。朝夕で異なる宗派の唱和をする姿を、信仰や主張が定まらないことにたとえた表現である。正確な初出・成立年は不詳だが、尾張いろはかるたの「あ」の札として知られる。
備考
本来は宗派の異なる題目と念仏を朝夕で唱えることを批判的にいう語。現代では宗教に限らず、信念のない日和見的な態度を指す。尾張いろはかるたの「あ」の札。
別表記
- 朝題目に夕念仏
- 朝題目、夕念仏
誤用・混同注意
- 朝と夕に熱心に仏を拝む敬虔な行為を褒める意味ではない。主義・信仰を都合よく替える、節操のない態度を批判的にいう。
- 「題目」を単に『話のテーマ』の意味と解するのは誤り。この語では日蓮宗の唱題を指す。
例文
- 取引先によって意見を変えるなんて、朝題目に宵念仏だと言われても仕方がない。
- 彼は上司の前では賛成し、別の上司の前では反対する。まさに朝題目に宵念仏の態度だ。
- 流行するたびに信条まで乗り換えるのは、朝題目に宵念仏になりかねない。