大姦は忠に似たり
読み方:たいかん は ちゅう に にたり
意味
非常に悪知恵が働く大悪人・大逆臣ほど、表面上は忠義深く誠実な人物に見えるため、見分けにくいという意味。甘い言葉や忠誠らしい態度だけで人を信用してはならず、その行いの実態を慎重に見極めるべきだという戒めである。
由来
中国の戦国時代末期、紀元前3世紀ごろに成立した法家思想家・韓非の著作『韓非子』「説林上」にある「大姦似忠、大詐似信(大いなる姦は忠に似、大いなる詐りは信に似る)」に基づく。日本ではこれを「大姦は忠に似たり」と訓読して用いる。
備考
「姦」はここでは邪悪・不正・裏切りを意味し、性的な意味ではない。単に忠義深い人を疑えという意味ではなく、外見的な忠誠だけで人物を判断しないという戒めである。
別表記
- 大奸は忠に似たり
- 大姦は忠に似る
- 大奸は忠に似る
- 大姦似忠
- 大奸似忠
誤用・混同注意
- 「忠義深そうに見える人は皆、悪人だ」という意味ではない。表面上の忠誠だけを判断材料にせず、実際の行動を見極めるべきだという戒めである。
- 「姦」を性的な意味で解釈するのは誤り。この句では、邪悪さ・姦計・裏切りを表す。
例文
- 彼は誰よりも会社への忠誠を口にしたが、不正の中心人物だった。まさに大姦は忠に似たりである。
- 役員を選ぶ際は、愛社精神を声高に語る人だけを信用してはいけない。大姦は忠に似たりという言葉もある。
- 甘い報告ばかりを上げる部下を重用した結果、問題の発見が遅れた。大姦は忠に似たりを肝に銘じるべきだった。
分類
類義語
対義語
対比・対照ことわざ
- 大詐は信に似たり